民法改正(成年年齢の引下げについて)
民法って聞くだけで難しい。
目次もたくさんあって読むのも躊躇ってしまう。
やっぱりこのページは閉じよう。
そう思ったあなた!大丈夫です!
私もそのひとり。そんな私が書くブログです(笑)
安心して読み進めていってください。
成年年齢はいつから引下げられるの?
2022年4月1日からです!
2022年4月1日の時点で、18歳以上の方(2002年4月2日生まれから2004年4月1日生まれまでの方)は、成年になります。
2004年4月2日生まれ以降の方は、18歳の誕生日に成年に達することになります。
そもそもなぜ18歳に引下げるの?
選挙の投票権年齢が18歳と定められたことが背景にあると言われています。
市民生活に関する基本法である民法においても、18歳以上の方を大人として取り扱うのが適当ではないか。という議論がされるようになりました。
世界的にも成年年齢を18歳とするのが主流ですしね。
18歳以上の若者の自己決定権を尊重するものでもあり、積極的な社会参加を促すことになると考えられています。
女性の婚姻開始年齢を引き上げ!
現在、婚姻開始年齢に男女差が設けられているのは、心身の発達に差異がある為。だとされています。
しかし!
●社会的、経済的な成熟度といった観点からは男女に特段の違いはない。
●高校等の進学率が98%を超えているし、
婚姻をするには、少なくとも18歳程度の社会的・経済的成熟が必要だろう。
などの理由から、差をなくそう!ということに。
女性の婚姻開始年齢の引き上げも、2022年4月1日から施行されます。
なお、2022年4月1日の時点ですでに16歳以上の女性は引き続き、18歳未満でも結婚することができます。
※重要※ 具体的に変わること
民法の成年年齢には、『ひとりで有効な契約をすることができる年齢』という意味と『父母の親権に服さなくなる年齢』という意味があります。
賃貸借契約などの法律行為を行う場合には、未成年者の場合は、その法定代理人(通常は親)の同意を得なければなりません。(民法5条)
たとえば、高校を卒業したばかりの18歳の方が賃貸を契約する場合。
学生名義で契約を締結するのであれば、親の同意を得たうえで契約を行う必要がありました。
が!
─────−- - - - - -−─────
18歳、19歳の方でも、
親の同意を得ずに様々な契約ができるようになります。
─────−- - - - - -−─────
ヤマモト地所で賃貸借契約をするときも同様。
2022年4月1日から満18歳であれば賃貸借契約を締結する際に親の同意が不要になります!
よって、これまでは18歳の方が親の同意なく契約を締結しても、『同意がない』ので、『未成年者取消権』によって後ほどその契約を取り消すことができたのですが、今後は原則取り消すことができない契約であるということになります。
契約を締結するかどうかを決めるのも自分。
その契約に対して責任を持つのも自分。
今までは、20歳になったら大人。という認識が、18歳になったら大人。という認識に変わる大きなポイントですよね。
賃貸借契約の際には、責任をもって契約を締結するようにしましょう。
(これは『何歳とか関係なく。』ですね。)
気を付けなければいけないこと
契約には様々なルールがありますが、そのルールを知らないまま安易に契約を結ぶと、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
社会経験も未熟で、保護がなくなったばかりの成年を狙う悪徳業者には、じゅうぶんに注意する必要がありそうです。
被害を回避する為に、未成年のうちから消費者としてのルールを学ぶ機会も増えそうですね。
その他にもできるようになること
・携帯電話の契約をする
・ローンを組む
・クレジットカードをつくる
・10年有効のパスポートをつくる(今までは5年)
などです。
10年有効のパスポートが作れるのは、更新手続きにかかる手間や、発行にかかる代金を考えるとありがたいですよね。
これまでと変わらないこと
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
飲酒は20歳になってから
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
「高校卒業パーティーでお酒が飲めるってこと?」と期待した方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。
その他にも
・喫煙をする
・競馬、競輪、オートレース、競艇の投票券を買う
・大型、中型自動車運転免許の取得
などは20歳になってからとなります。
養育費について
お子様の養育費について、『子が成年に達するまで養育費を支払う』と取り決められている場合・・・
成年年齢が引き下げられる2022年4月1日にこのような取り決めがどうなるのかですが、
●取り決めがされた時点では成年年齢が20歳であったこと
●養育費は、子が未成熟であって経済的に自立していない場合に支払われるものであること
などから考えると、従前どおり20歳まで養育費を支払う義務があると考えられます。
××××××××××××××××××××
成年年齢が18歳になったからといって、
当然に「18歳に達するまで」ということになるわけではありません。
××××××××××××××××××××
今後新たに養育費に関する取り決めをする際、大学に進学する予定がある場合には22歳に達した後の3月までなど、明確に支払期間の終期を定めることが望ましいと考えられます。
成人式はどうなるの?
成人式の在り方に関して、現在は法律による決まりはなく、各自治体の判断で実施されています。
ちなみに四万十市では毎年1月3日に開催されていますよね。
成年年齢が18歳に引下げられた場合・・・
●18歳の方を対象とするのか?
●高校3年生の1月という受験で忙しいシーズンに実施するのか?
●2022年度は18歳~20歳までの3学年分、同時に実施するのか?
●3学年分同時に実施するとなると、
成人式を執り行う場所も考えなくてはいけなくなるのではないか?
など、様々な問題に直面することとなります。
政府としては、成年年齢引き下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議において、関係者の意見や各自治体の検討状況を取りまとめたうえで情報発信し、各自治体がその実情に応じた対応をすることができるよう取り組んでいきたいと考えているそうです。
つまり!
まだ決まってないよ~ということですね。
2019年3月15日に、16歳~22歳と40歳~59歳の方を対象に内閣府が行った調査では
『成人式は20歳を対象に行うのがよい』と回答した方は
16歳~22歳 71.9%
40歳~59歳 55.0%
だったそうです。
あなたは、どう考えますか?
私が 18歳or20歳 だったら(いつの話)どういう気持ちかな~。
先輩or後輩と一緒に成人式・・・う~ん( ̄ー ̄)
やっぱり同級生だけがいいな。と思ってしまうかもしれません(笑)
この民法改正について考案したのも『大人』。
法律で決められたことではありますが、『大人』でないがゆえに、自分の意見や考えを、政治や法律のありかたに反映することができない『現在の子ども』が当事者となるこの民法改正。
その『現在の子ども』が決して不利益とならないように『大人』がどう行動していくかが、今後の一番の課題かもしれませんね。
関連した記事を読む
- 2024/10/31
- 2024/10/08
- 2024/09/30
- 2024/09/27