「家族信託」はメリットいっぱい!大家さんの認知症対策
上級相続支援コンサルタントの山本富貴です。
皆さん、「家族信託」のこと、ご存知ですか!?
先日、あるアパートの大家さんとお話した時のこと。
その方は、73歳の高齢大家さん。
お一人暮らしで、お子さん3人は県外で結婚して暮らしているとのことでした。
- 私も歳をとってきて、ちゃんと身の回りの整理をしないといけないと思っているのよ。アパートも、田んぼもあるけど子供たちは県外から帰ってこないから。
- 今、どんなことをしていらっしゃいますか!?
- ほら、認知症になったら銀行からお金を引き出せなくなるって聞いたから、全部解約してタンス預金してるのよ。
- えっ!?!?!
確かに、認知症になると預金口座が凍結されたり、不動産を売ったりもできなくなります。でも、さすがに現金を自宅に置くのは危険かと・・・。
こういう時は、銀行に信託口座を作って、お子さんに管理してもらえる「家族信託」という方法がありますよ!不動産も信託財産に入れておけば、老後資金が必要になった時に不動産も売ることができますよ。 - まあ、そんな方法があるのね!詳しく教えてちょうだい。
高齢化がすすむ中、認知症によって財産が凍結されてしまい、本人も家族も非常に困るケースが非常に増えてきています。
そんな認知症対策の救世主が「家族信託」なんです!
まだあまり四万十市ではなじみのない「家族信託」ですが、私も実際にコンサルさせていただき、やはり素晴らしい制度だと確信しました!!
ぜひ皆さんに知っていただきたいので、「家族信託」をわかりやすくご紹介していきたいと思います。
家族信託とは!?
一言でいうと、
「自分で自分の財産管理をできなくなってしまった時に備えて、家族に自分の財産の管理や処分をできる権限を与えておく方法」
のことです。
上の図を見ながらご説明しますと、
親と子で信託契約を結び、親は子に自分の財産の管理・運用・処分権限を与えます。
具体的に言うと、
・アパートの収益から修繕費を支払う、入居者に敷金を返還する、賃貸借契約を結ぶ等
・親の銀行口座から、親の医療費、介護料、生活費、税金等を支払う
・親のために、家や土地を売る、貸す
などがあります。
もし認知症になってしまっても、家族信託なら大丈夫!
最近、だいぶ知られてきたかと思いますが、認知症になってしまうと
・預金口座が凍結されて、お金が引き出せなくなってしまう
・契約行為ができないので、不動産を人に貸したり売ったりできなくなる
という事態になります。
認知症の方の財産を悪い人から守るためのものなのですが、このように財産を凍結されてしまうと、
・子が親の医療費や介護費などを負担しないといけなくなる
・アパートを貸したり、直すことができず、アパート経営ができなくなる
・医療費等のためにお金が必要になっても、土地や家を売却できなくなる
と、かなり厳しい状況になりかねません。
ですが、お元気な内に家族信託をしておけば、図の右側のように、親が認知症になってしまっても、子は親のために財産を管理運用できるんですね。
誤解しないで!親の財産を盗るどころか、子の負担はけっこう大きいのです
と親が怒ったり、不機嫌になって、話がすすまないとご相談を受けることがよくあります。
でもそれは誤解です。
子に、財産の管理・運用・処分の権限を与えても、それから得る利益は全て親の物です。
子が判断して、もし親の家を売却しても、そのお金は親の物です。
子のお金にはなりません。
私も実際に家族信託に関わらせていただいているので、よくわかるのですが、子は親の財産を盗るどころか、その管理運用に大変な労力を使ってらっしゃるのが現実です。
・モノであふれかえっている実家の片付け、維持管理
・たくさんの預金通帳を一つ一つ整理して、解約していく作業
・誰に貸しているのかわからない借地・借家、もしくはずっと滞納されている借地・借家の対応
・片付けていると、何かわからないところに多額のお金を振り込んでいるのを発見し、オレオレ詐欺ではないかと警察に相談
・必要以上に契約している保険関係を整理し、解約していく作業
・免許の返納や廃車の手続き
・年金、税金の支払いの確認
・確定申告
これら、実際に受託者であるお子さんがやっていることです。
ものすごく大変なんです・・・・。
四万十市で家族信託をする方法
- 家族信託のこと、わかってきたわ。でも、実際にやるにはどうしたらいいのかしら。
- はい。四万十市で家族信託をするのであれば、まず上級相続支援コンサルタントの私が、大家さんの財産の状況やご家族の希望などをお聞きしていきます。
- うんうん。
- 実は、ここが一番大変でお時間がかかる部分なんです。
特に不動産関係を把握・整理することが重要となってきますが、そこは不動産のプロの私の得意とするところです(笑) - まあ、ホントそうよね(笑)
- また、お子さん達と一緒に話し合って決めていくのですが、親子で直接話しづらいことなんかも、第三者のプロとして私が間に入ってお話できますので、スムーズにすすみますよ。
- たしかに。うちは割と親子関係はいい方だと思っているけれど、プロの方にスムーズに進めてもらった方が安心だわ。
- 財産の把握や信託契約の内容が固まってきましたら、信託銀行・司法書士・行政書士等とチームを組んで、実際に信託契約を行います。
めんどくさいやりとりも私が窓口になってすすめますのでご安心ください。 - それは安心だわ。ぜひよろしくお願いします。
家族信託はメリットだらけ!でも注意点も・・・
以上ご紹介してきましたとおり、特にアパートの大家さんや地主さんの認知症対策としては、「家族信託」はメリットだらけなんですね。
また後日ご紹介しますが、遺言書ではできない2代、3代先までの相続も指定できたりするんですよ!
ですが、注意点もあります。
・初期費用がかかる
(財産の額によってもかわってきますが、最低でも数十万以上かかります)
・比較的新しい制度なので、身近に専門家が少ない
初期費用については、私が実際にお手伝いしたケースでは100万円以上費用がかかりました。
ですが、財産を整理していく中で、人にだまされてお金をとられていたり、不要なお金を使っていたりとたくさんの問題を発見し、解決できたため、結局初期費用以上のお金が戻ってきたんです!
ご家族にもとても喜んでいただきました。
身近に専門家が少ないという点も、四万十市でもそうです。
四万十市でしっかりと家族信託に取り組んでいるところは、ほとんどありません。
先日も、
「市役所へ行って相談したら、やってくれるやろう!?」
と聞かれましたが、残念ながら信託契約なので市役所はやってくれません。
家族信託も、結局相続の話も関わってくるため、私のような、相続・不動産のプロが話をお聞きして、信託契約内容をコンサルティングさせていただくのが一番いいのではないかと思って、私も今一番力を入れて取り組んでおります。
身近にいる私が、信頼できる信託銀行・司法書士・行政書士・税理士とチームを組んで取り組んでいきますので、ぜひご相談くださいね♪
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不動産は大切な資産。ですが、放置していると負債にもなりかねません。
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