大文字の送り火【高知県四万十市間崎】
自然のなかに溶け込み、当たり前にありすぎて見落としているものというのは意外とたくさんあります。
四万十市といえば四万十川ですが、本当はとてもキレイなはずなのに何も思わなくなったり・・・。
さて今回は、四万十市間崎で、毎年旧暦の7月16日に行われている大文字の送り火について。
2019年は8月16日に行われました。
こんなに近い場所なのに、実は私は今回初めて行ってきました。
大文字の送り火について。
四万十市間崎地区の盆行事で、小京都中村に夏の終わりを告げる風物詩です。
山の神を祭っている十代地山の中腹の草木を大の字形に掘り、そこに地区の方々の協力のもと集められた松明を配して焚火を行います。
応仁の乱を逃れて中村に下った一條教房の息子である房家が『教房と祖父兼良の精霊を慰め、京都を懐かしんではじめた』と伝えられてきたそうです。
どこで行われているのか?
四万十市間崎地区で行われています。
国道321号線を土佐清水方面へ。車で15分くらいの場所にあります。
私が到着した頃には『大』の字の3画目の払いの部分以外は火がついていました。
ちょっとここからは遠いので場所を移動してみることに。
四万十川野鳥自然公園から5分ほど歩いてみました。
歩いた先には?
なんと、長閑な田園風景と大文字が。
アスファルトの無い、自然の中でみると一味ちがうなぁ。
当然のことながら、この山の中腹まで、人の手で薪を運搬したんだなぁと。
大変なことではありますが、こうやって伝統を受け継いでいっているんだと感じました。
iPhoneのカメラで撮影したので、画質が良くないのですが、こちらがズームした写真です。
この景色はどこから撮影できるのか?
バス停『大文字前』の脇道から入った場所から撮影できます。
このバス停の名称から、送り火という行事が地元の方々にどれだけ親しまれていて、大切にされてきたのかということが分かります。
いつかの新聞では、一条公ゆかりの通説はくつがえされる。とか、500年という歴史は、実は250年だった。という記事があったそうですが、真相がどうであろうと、長い伝統のある送り火であることには変わりはないし、これからも間崎地区の方々が、親から子へ、子から孫へと受け継いでいくことでしょう。
特別な送り火。
なにが特別なのか?
はい。
京都府と『京の雅を現代に伝える四万十市』だけの珍しい行事なのです。
何千発、何万発と花火があがるお祭りではなく、受け継いできた伝統をそのまま後世へ。
当たり前にあるものは、当たり前ではなく『誰か』、『誰も』が守ってきた素晴らしいものであることを忘れてはいけないなと感じました。
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