固定資産税とは?【2021年版】
先日、土地を購入されるお客様に聞かれました。
「この土地の固定資産税はいくらですか?」
「来年家が建てばどうなりますか?」
今からお家や土地を買う方、とても気になりますよね。
また、親から土地や空家を相続した方も、毎年の固定資産税の負担が気になるところだと思います。
今回は、四万十市の固定資産税課税明細書を見ながら、固定資産税についてお伝えします。
1、固定資産税とは
土地や家屋、償却資産を持っているとかかる税金です。
課税されるのは、毎年1月1日に、各市町村に備え付けられた固定資産課税台帳に所有者として登録されている人です。
例えば、1月2日に土地を買った場合。
その年の税金は、1月1日の所有者へ課税されるため、前の所有者へ納税の請求がくることになります。
ですので、実際の土地の売買の場合、固定資産税の精算という形で、買主の負担分を先に売主へ支払っていただくことが多いです。
例えば、2021年の固定資産税が36500円の不動産の場合。
日割りすると、1日100円になります。
11月1日に所有権移転すれば、1/1~10/31までの分を売主が負担。
11/1~12/31までの分を買主が負担します。
100円×61日分=6100円を、買主が売主へ払うことになります。
2、計算方法は?
固定資産税の額=課税標準額×【税率】
「課税標準額」とは、原則は固定資産税評価額になります。
住宅用地の場合には、課税標準額が、評価額から軽減されます。
固定資産税評価額は、固定資産評価基準に基づいて市町村が個別に決めるそうです。
3年ごとに評価替えがされ、土地価格の下落や、家屋の増築などがあれば、そのつど評価替えされます。
【税率】は、四万十市では1.4%になります。
例えば、土地の「課税標準額」500万円なら、×1.4%。
年間7万円の固定資産税となります。
ただし、住宅用地の軽減措置や、新築住宅の減額制度などがございます。
3、納税者に送付される課税資産明細書
この用紙を見れば、土地や家屋の色々なことが分かります。
①土地・家屋の区分
②所在地 所在地番のため、住所とは違います。
③1月1日時点の地目、家屋の構造や種類
④家屋の建築年
⑤土地の面積または家屋の床面積
⑥土地・家屋の評価額
⑦前年度課税標準額
⑧本年度課税標準額
⑨軽減税額
⑩課税標準額に1.4%を乗じた税相当額
4、住宅用地の軽減措置
売家を購入した場合、土地・家屋それぞれの固定資産税がかかります。
架空の課税明細書を用意してみました。
家の建っている土地につきましては軽減があります。
【住宅の敷地で住宅1戸につき200㎡までの部分 固定資産税評価額×1/6に軽減】
200㎡は、約60.5坪です。
600万円の評価額が1/6となり、課税標準額が100万円に!
100万円×1.4%=14,000円となります。
(200㎡を超えた面積は、1/3に軽減されます。)
5、売地を購入し、住宅を建てた場合
土地の軽減措置は、住宅が建っている場合のみです。
2020年12月に土地を購入し、2021年に家を建てた場合。
2021年1月1日に住宅が建っていなければ土地の軽減はありません。
(ですが、2021年は家の固定資産税もかかりません)
「家が建っている」とは、どこで判断するのでしょう?
四万十市資産税係に確認しました。
「住宅として機能する状態になっていること」だそうです。
要するに住める状態にある、ということですね。
<四万十市 税務課資産税係 0880-35-4428>
建物保存登記や、建物お引渡しの時期になるかと思いますが、詳しくは建築する業者さんに確認すると良いですね。
2021年1月1日にすでに家が建っていれば、土地は軽減になります。
そして、もちろん家屋の固定資産税もかかりますね。
6、新築住宅の減額制度
【令和4年3月31日までに新築された住宅について、3年間、固定資産税が2分の1に減額されます。】
(地上階数3以上の中高層耐火建築物については5年間)
新築の住宅は評価額が高そうに思いますが、半分になるのなら安心ですね。
ただ要件があります。
①店舗兼住宅などの場合、住宅の床面積が全体の1/2以上であること。
一般の住宅なら、あてはまりますね。
②居住用部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
およそ15坪から84坪なので、ほとんどの家があてはまると思います。
なお、減額の対象は120㎡(約36.3坪)までの部分になります。
※平成21年6月4日から令和4年3月31日までの間に新築された認定長期優良住宅について、認定を受けて建てられたことを証する書類を添付して市区町村に申告した場合には、上記に替えて新築から5年度分(中高層耐火建築物は7年度分)に限り、その住宅に係る税額(床面積のうち120㎡までの部分)の1/2が減額されます
7、そのほかの減額制度
①中古住宅の耐震改修にともなう減額
耐震改修をした場合、1年間の固定資産税が半分に減額されます。
昭和57年1月1日以前から存在していた住宅で。
令和4年3月31日までに耐震改修した場合。
(工事完了後、3月以内に市町村へ報告)
②バリアフリー改修工事 要件を満たせば1/3軽減
③省エネ改修工事 要件を満たせば1/3軽減
④認定長期優良住宅になる工事 要件を満たせば3/2軽減
要件も細かくなりますので、詳細は別の機会でお伝えいたします。
8、納付の方法
四万十市より、固定資産税納税通知書という用紙が届きます。
毎年5月頃に、自宅へ郵送で届きます。
年間の固定資産税を、一括払いすると、結構な金額になります。
そこで第1期から第4期分までに分けての納付もできます。
納付方法は、銀行の窓口で納めたり、口座引落ができます。
9、都市計画税とは
市街化区域内の土地や家屋の所有者に課税されます。
四万十市においては2021年現在、市街化区域はございません。
都市計画税は課税されません♪
10、さいごに
土地を買ったり、建物を建てると、持ち続ける限り払い続けないといけない固定資産税。
この先何十年も支払う税金なので、けっこうな金額になります。
自分たちが毎日住んでいたり、活用できている土地や家なら、必要経費ですから納得できますよね。
ですが、親から相続したものの、放置してしまっている空地・空家の場合は、大きな負担にもなりかねません。
もし、使っていない空地や空家をお持ちの方は、売却もご検討ください。
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